利害関係者への働きかけとコミュニケーション
意思決定者が透明性を確保することで電子監視の導入が促進されます
このファクトシートは、地域の漁業管理組織が電子監視プログラムを開発する際に考慮すべき重要な事項をまとめたシリーズの1つです。
概要
地域漁業管理機関(RFMO)で電子監視(EM)プログラムを設計、実施する場合、プロセスの透明性が高く、 すべての利害関係者が含まれていることは極めて重要です。プログラムの開発が進むにつれ、プログラムの導入に幅広い支持を得るためには利害関係者に定期的に働きかける必要があります。いくつかの研究は、関係者による賛同がないことでプログラムの成功が妨げられる可能性があることを示しています。1 RFMOのEMプログラムは多くの国と幅広い漁船サイズ、漁具タイプ、漁場、漁獲の組み合わせを対象にできるため、手に負えなくなるほど不安が高まる前に代表的な利害関係者のグループと相談する必要があります。
表1は、共通の利害関係者、主に関心のある分野、および電子監視に関連する議題の概要を示しています。
表1
利害関係者のEMについて関心のある分野と議題
利害関係者 | 電子監視(EM)について関心のある分野 | EMについての議題 |
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RFMO事務局 および科学機関 のスタッフ |
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旗国 当局担当者 および沿岸国 当局担当者 |
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船主 |
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主なマグロ 漁船会社 |
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船員 |
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監視担当者 |
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非政府組織 |
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市場 |
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© 2020 The Pew Charitable Trusts
連携の機会
連携プロセスの最初のステップは関連する利害関係者を特定し、働きかけの機会を創出することです。そうし た機会とは、RFMO EMワーキンググループ、利害関係者のワークショップ、EMパイロットショーケース、また は他の交流会かもしれません。トップダウンおよびボトムアップ双方のコミュニケーションを図れるように、 RFMO、NGO、または国連機関と協力してイベントを開催するとよいでしょう。こうした交流は形式に関わらず業界、政府機関、事務局に質問し、学んだ教訓を伝え、解決策を立案するためのプラットフォームとなります。
EMプログラムを設計する上で利害関係者に働きかけることは明確な出発点となりますが、プログラムの導入後もそうした働きかけが継続するようフィードバック機構を確立することも必要です。
業界の連携
システムにより操業にどのような影響が及ぶかについて業界における不透明な先行きの不安を和らげるため、EMプログラムの設計の初期の段階で船主、船長、乗組員と連携を取る必要があります。業界と政府の間でパイロットパートナーシップがあれば、EMプログラムの展開に関する意思決定に役立つかもしれません。
まとめ
EMプログラムを長期的にわたって成功させるため、漁業管理者は様々な利害関係者と協力し、フィードバックを取り入れる機会を作り出す必要があります。利害関係者に働きかける正式なプロセスは、プログラムの実施期間中継続します。
巻末の注
- R. Fujita et al., “Designing and Implementing Electronic Monitoring Systems for Fisheries: A Supplement to the Catch Share Design Manual,” Environmental Defense Fund, San Francisco (2018), http://fisherysolutionscenter.edf.org/sites/catchshares.edf.org/files/EM_DesignManual_Final_0.pdf.